個人が公益法人等(学校法人・社会福祉法人を含みます)に、財産を贈与又は遺贈(あるいは著しく低い価格で譲渡)するときにそれが土地や有価証券の場合、時価で譲渡したものとみなして個人に譲渡所得税が課税されます。
しかしこれでは、公益のために贈与(寄付を含みます)・遺贈しようとする個人の意思が達成されませんよね?
そこで譲渡所得税には特例があります。
1)公益事業の増進に寄与するものであること
2)財産が原則として2年以内に公益事業に使用されること
3)贈与・遺贈者の課税を不当に減少させるものでないこと。
4)贈与を受けた法人が国税庁長官に申請し承認をうけること。
以上に該当する場合には、これらの税金は課税されません。
(具体的にあてはまるかどうかは、専門家におたずねください。)
せっかく社会の役に立ててもらおうと、贈与・遺贈しようとしても税金でもっていかれてはもったいないとおもいます。
これらの特例を活用されることをおすすめいたします。
第40条(国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税)
国又は地方公共団体に対し財産の贈与又は遺贈があつた場合には、所得税法第59条第1項第1号の規定の適用については、当該財産の贈与又は遺贈がなかつたものとみなす。民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人その他の公益を目的とする事業を営む法人に対する財産の贈与又は遺贈(当該法人を設立するためにする財産の提供を含む。以下この条において同じ。)で当該贈与又は遺贈が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与することその他の政令で定める要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたものについても、また同様とする。
2 前項後段の規定の適用を受けて贈与又は遺贈があつた場合において、当該贈与又は遺贈のあつた後、当該贈与又は遺贈に係る財産(当該財産につき第33条第1項に規定する収用等があつたことその他政令で定める理由により当該財産の譲渡をした場合において、当該譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもつて取得した当該財産に代わるべき資産として政令で定めるものを取得したときは、当該資産)が当該財産を受けた法人の当該贈与又は遺贈に係る公益を目的とする事業の用に供されないこととなつたときその他当該贈与又は遺贈につき政令で定める事実が生じたときは、国税庁長官は、その承認を取り消すことができる。この場合には、その承認が取り消された時において、政令で定めるところにより、同項に規定する贈与又は遺贈があつたものとみなす。
3 国税庁長官は、第1項後段の承認をしたとき、若しくは当該承認をしないことを決定したとき、又は当該承認を取り消したときは、その旨を当該承認を申請した者又は当該承認を受けていた者に通知しなければならない。
4 第1項後段の承認につき、その承認をしないことの決定又は第2項の取消しがあつた場合には、その者の納付すべき所得税の額で当該処分に係る財産の贈与又は遺贈に係るものとして政令で定めるところにより計算した金額についての国税通則法第60条第2項の規定の適用については、同項本文に規定する期間は、同項の規定にかかわらず、当該決定又は取消しの通知をした日の翌日から当該金額を完納する日までの期間とする。
5 前項に定めるもののほか、第1項後段の承認の手続その他同項から第3項までの規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。
6 第1項の規定の適用を受ける財産の贈与又は遺贈について所得税法第78条第1項の規定の適用がある場合における同条の規定の適用については、同条第2項中「寄附金(学校の入学に関してするものを除く。)」とあるのは、「寄附金(租税特別措置法第40条第1項(国等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税)の規定の適用を受けるもののうち同項に規定する財産の贈与又は遺贈に係る山林所得の金額若しくは譲渡所得の金額で第32条第3項に規定する山林所得の特別控除額若しくは第33条第3項に規定する譲渡所得の特別控除額を控除しないで計算した金額又は雑所得の金額に相当する部分及び学校の入学に関してするものを除く。)」とする。