補助活動収支は、相殺処理が認められております。
ただし表示上は、総額による注記が必要となります。
また、消費税の計算上は相殺したものを課税標準にすることは認められていませんから、総額(相殺前の金額)で税額計算する必要があります。補助活動収入には、課税収入が多いので十分気を付けたいポイントです。
学校会計委員会報告第22号
補助活動事業に関する会計処理及び表示並びに監査上の取扱いについて
昭和51年3月9日 日本公認会計士協会学校会計委員会
学校法人における補助活動事業(食堂,売店,学生寄宿舎等)の実態は,学校法人によって,その種類,規模が異なるとともに,その会計処理の方法も様々である。このような現状にかんがみ,当分の間,補助活動事業に関する会計処理及び表示並びに監査上の取扱いを次のとおりとする。
1.会計処理及び表示
補助活動事業の経理を課税上または管理上等の理由により,特別会計として区分している場合であっても,私立学校法第26条に定める収益事業に該当しないのであるから,補助活動事業会計は,一般会計と合併したうえで計算書類を作成しなければならない。
補助活動事業会計を区分経理していると否とにかかわらず,補助活動事業の収支については,「学校法人会計基準」(文部省令)第5条ただし書によって純額表示することができるのであるが,貸借対照表科目については,純額表示することができないことに留意する。
(1)総額表示
総額表示による場合は,たとえば,売上高,販売手数料等は,「(大科目)事業収入-(小科目)補助活動収入」として受取利息は,「資産運用収入」として表示するものとする。また,経費は,「管理経費」(寄宿舎に要する経費で教育研究経費とするものを除く。)として給与は,「人件費」として表示するものとする。売店等の売上原価に属する項目については,資金収支計算書では仕入高をたとえば,「(大科目)管理経費-(小科目)補助活動仕入支出」として,消費収支計算書では売上原価を,たとえば,「(大科目)管理経費-(小科目)補助活動収入原価」として表示するものとする。
(2)純額表示
純額表示による場合の収支相殺の範囲は,消費収支計算書科目(同一内容で資金収支計算書に使用されている科目を含む。以下同じ。)に限るものとし,資金収支計算書のみに使用する科目,すなわち,貸借対照表に係る収支科目は含まないものとする。
このことは,相殺範囲の最大限を示したものである。したがって,その範囲内であれば適宜に選択した収入項目と支出項目によって相殺できる。
収支相殺の範囲を例示すればつぎのとおりとなる。
① 支出項目と相殺できる収入側の項目は,
イ 売上高,受取利息,雑収入とする方法
口 売上高,受取利息とする方法
ハ 売上高,雑収入とする方法
二 売上高のみとする方法
② 収入項目と相殺できる支出例の項目は,
イ 売上原価 人件費,経費〈借入金利息を含む。以下同じ。)とする方法
口 売上原価,人件費とする方法
ハ 売上原価,経費とする方法
二 売上原価のみとする方法
収支相殺の結果,収入超過の場合は,たとえば,「(大科目)事業収入-(小科目)補助活動事業収入」として,支出超過の場合は,たとえば,「(大科目)管理経費-(小科目)補助活動事業支出」として表示するものとする。ただし,教育を目的とする寄宿舎に係る収支については,それ以外の補助活動事業の収支と別に相殺し,その結果,支出超過の場合は,たとえば,「(大科目)教育研究経費-(小科目)補助活動事業支出」とすることができる。
なお,収支相殺の結果は,資金収支計算書上と消費収支計算書上とでは同一にならない場合が多いことに留意する。
(3)貸借対照表の科目
補助活動事業会計を区分経理していると否とにかかわらず,補助活動事業に係る現金預金,たな卸資産,固定資産等のすべての資産並びに買掛金,前受金等のすべての負債が計算書類に表示されなければならない。
たな卸資産(商品,原材料等をいい,貯蔵品となるものを除く。)の年度末有高は,貸借対照表の流動資産の部に「貯蔵品」と区別し,「販売用品」として表示するものとする。ただし,有高が少額の場合は,「貯蔵品」に含めることができる。
2.監査上の取扱い
純額表示するために,収入と支出の相殺できる範囲は,前記(2)に示したとおり,収入側の項目の売上高,受取利息,雑収入と支出側の項目の売上原価,人件費,経費に属する科目であるが,そのうち,売上高と売上原価に属する科目は,必ず相殺するものとし,したがって,これが相殺されず受取利息,雑収入及び人件費,経費に属する科目のみが相殺されている場合には妥当な処理として認められないものとする。しかし,受取利息,雑収入及び人件費,経費に属する項目については,これを相殺するか否かは当該学校法人の判断にゆだねるものとし,したがって,この一部もしくは全部が相殺されない場合にも妥当な処理として認めるものとする。
補助活動事業に関する会計処理及び表示について,本取扱いによるために変更が行われた場合は,正当な理由に基づく変更と認めるものとする。
(留意事項)
補助活動事業の経理を課税上,または,管理上等の理由により,特別会計として区分することは学校法人の自由であるが,計算書類作成に当っては,必ず一般会計と合併しなければならない。もし,合併しないで計算書類を作成した場合は,妥当な会計処理とはならないことに留意する。
解 説
1.まえがき
学校法人における補助活動(食堂,売店,学生寄宿舎等)の実態は,学校法人によって,その種類および規模が異なり,さまざまであり,そのうえ,補助活動事業の会計処理及び表示について,「学校法人会計基準」(昭和46年4月1日文部省令第18号,以下たんに「基準」という。)においても,具体的な規定がないため,各学校法人の会計処理及び表示は,さまざまであったので,当協会は,会員の取扱上の指針とするため,「昭和49年4月18日,学校会計委員会中間報告」をもって,当分の間の取扱いを定めていた。
昭和50年9月2日付で当協会長より,学校会計委員会への諮問事項「協会通牒又は学校会計委員会報告等として,これまで,発表されたもののうち,改正又は補充を必要とする事項があるか。あればどのような内容のものであるべきか。」に関連し,さきの中間報告について,改正及び補充を要すると認めたので,ここに「学校会計委員会報告第22号」として確定報告をし,一応のピリオドを打つこととした。しかしながら,学校法人の補助活動の多様性にかんがみ,将来,種々のケースの発生等も予想されるので,そのときに,改正等が容易になし得るよう,前文に,敢えて,「当分の間」の字句を存置することとした。
この,「学校会計委員会報告第22号」の基本的な考え方は,さきの「昭和49年4月18日学校会計委員会中間報告」と殆ど,変化がなく,①純額表示の箇所の説明の追加,②留意事項の追加等,ごく一部の改正,補充があったにとどまっているので,以下,改正,補充した箇所を中心に解説することとした。
2.改正及び補充した箇所
(1)標準及び取扱い文の見出しに,表示の字句を追加した
中間報告の標題に,「補助活動事業に関する会計処理及び監査上の取扱いについて」となっていたのを,「補助活動事業に関する会計処理及び表示並びに監査上の取扱いについて」に改め,文中の見出しも及び表示の字句を追加した。
このことは,この取扱いの内容が,会計処理のほか,表示に関することも含んでいるので,このように改めた。
(2)会計処理及び表示の取扱い文中,(2)純額表示の場合の取扱いを、わかりやすくするために例示を入れた
計算書類に記載する金額は,総額表示を原則とするが,補助活動に係る収入と支出については,純額をもって表示することができることとなっているが,純額表示する場合の問題点の第1点は,収支相殺の範囲であり,第2点は,表示方法である。
第1点の収支相殺の範囲及び第2点の表示方法について,中間報告も本報告も考え方に変化はない。ただ,第1点の相殺の範囲についての具体的例示は,中間報告の本文に記載せずに,解説にゆだねられていたため,中間報告の本文のみからは,理解が困難であった。
本報告では,解説にまかされていた相殺の具体的例示を①支出項目と相殺できる収入側の項目と,②収入項目と相殺できる支出側の項目に区分し,本文に入れ,理解を容易ならしむるように改正した。
すなわち,例示のように,相殺の範囲内であれば,適宜に選択した収入項目と支出項目によって相殺できることになる。いずれの方法によっても良いわけであるが,人件費および経費のみを収入と,受取利息および雑収入のみを支出と相殺する方法は認められないものとした。要するに,純額表示するために相殺する場合の相殺範囲は,売上高と売上原価に属する科目は,その全部を必ず相殺しなければならないが,これ以外の受取利息,雑収入,人件費および経費に属する科目については,これを相殺するかどうかは,学校法人の自由裁量に任せることとした。
(3)補助活動事業を管理上等の理由で特別会計として区分した場合でも,一般会計との合併が必要なる旨を(留意事項)として追加した
学校法人のうちには,補助活動事業の経理を,課税上,または,管理上等の理由で特別会計として区分している場合がある。
この区分することは何ら差しつかえないが,計算書類の作成に当っては,必ず,一般会計と合併しなければならない旨を強調するため,敢えて,留意事項として追加した。
このことは,従前も全く同一の処理であり,この留意事項によって,会計処理及び表示並びに監査上の取扱いを変更する意図で書かれたものでないことに注意する必要がある。
もし,従来,補助活動事業の特別会計を一般会計と合併せずに計算書類を作成表示していた場合は妥当な会計処理ではなかったので,合併表示する正しい方法に改めることは当然であるが,これは継続性の変更には該当しない。むしろ,従前の処理に対し,除外意見が附せられるべきものであった筈である。
継続性の変更とは,もともと,ある認められた会計処理及び表示から他の認められた会計処理及び表示への変更の場合と解せられているからである。
3.改正及び補充の必要のない箇所
改正及び補充の必要のない箇所については,昭和49年4月18日学校会計委員会中間報告の解説と重複するので,これを省略した。
4.中間報告と委員会報告第22号の関連について
まえがきにも述べたとおり,中間報告とこの委員会報告第22号(以下確定報告という。)の間には,会計処理及び表示方法について,基本的に全く変更がない。ただ,理解を容易ならしむるために,例示,留意事項を追加した程度である。
取扱い本文2.の監査上の取扱いの後段に‥…「本取扱いによるために変更が行われた場合は,正当な理由に基づく変更と認めるものとする。」・‥・の変更とは,中間報告から確定報告へ移行した場合を指しているのではなく,他の認められた会計処理及び表示から,この確定報告に定める会計処理及び表示への変更を指しているのである。したがって委員会報告が,中間報告から確定報告に移行したからといって,このことを理由に,新たに継続性に関する監査意見を表明しなければならないような問題は生じない。
たとえば,学校法人が,昭和49年3月会計年度において,中間報告に基づき,総額表示方式から純額表示方式に改め,これに対し,監査人は,正当な理由に基づく変更と認めてきたものを,この確定報告を機に,昭和51年3月会計年度において,純額表示方式から総額表示方式に変更した場合の監査意見は如何にあるべきかということが疑問として残る。
中間報告から確定報告に移行したからといって,内容自体に変化があったわけでないので,表示方法を変更しなければならないような理由は見当らない。従って上記のような変更を行った場合の監査意見は,変更から変更への期間が短かすぎるので,正当な理由に基づく変更とは認められないこととなろう。(学校会計委員会副委員長 古堅 良雄)
「補助活動事業に関する会計処理及び監査上の取扱いについて」(学校会計委員会中間報告)の解説
1.まえがき
学校法人における補助活動事業(食堂,売店および学生寄宿舎等)の実態は,学校法人によって,その種類および規模が異なりさまざまであり,そのうえ補助活動事業の会計処理について「学校法人会計基準」(文部省令,以下たんに『基準』という。)において具体的に規定していないため,各学校法人の処理方法はさまざまである。このような現状にかんがみ,補助活動事業に関する会計処理および監査上の取扱いに関する指針を中間報告として示すこととした。これを中間報告としたのは,今後の実践を通して将来において改正される場合もあることを予想し,それまでの当分の取扱いを定めたことを意味する。
2.会計処理について
私立学校法第29条に規定する収益事業に該当する場合は,同条第3項により『当該学校法人の設置する私立学校の経営に関する会計から区分し,特別の会計として経理しなければならない』こととなっている。このため同条に規定する収益事業に該当する場合は,企業会計の原則に従った会計処理および計算書類の表示が要求されることとなる(『基準』第3条)。したがって,収益事業会計については,一般会計の計算書類と別に当該事業の計算書類が作成され,一般会計と特別会計の合併計算を行う必要がない。しかし,私学法の収益事業に該当しないが,税法上の収益事業と認定されているため,一般会計と区分経理している補助活動事業会計については,一般会計の計算書類に合併表示しなければならない。また,予算統制等の管理上の目的から区分経理している場合も同様である。
補助活動事業特別会計(一般会計と区分経理している場合,以下同様)を一般会計の計算書類に合併表示しなければならないという点が本報告の最も重要な部分である。
『基準』第5条は,計算書類に記載する金額は原則として総額表示によることを定めたのであるが,補助活動事業の収支等一部の収支については,例外的に純額表示できることとなっている(同条ただし書)。このことは補助活動事業の規模の大小を問わず,また,特別会計として区分経理しているかどうかを問わず純額表示することができるのである。ここで注意を要することは,純額表示を許されているのは収支項目に限られているのである。したがって,計算書類でいえば,資金収支計算書および消費収支計算書のみであり,貸借対照表には適用されないのである。本報告ではこの点を留意的に示している。
(1)総額表示について
総額表示による場合の問題点は,表示科目の選定にある。『基準』では補助活動事業に関する科目としては,補助活動収入のみが例示されているにすぎない(別表第1,別表第2)。例示の補助活動収入は,総額表示によるものと理解できる(別表第1および別表第2の備考欄)のであるが,収入に対応する支出についての例示は全くない。このことは支出の内容に応じた適当な科目の選択適用については,学校法人の判断に委ねているものと解すべきであろう。
まず,収入の側では,たとえば,売上高は,「補助活動収入」として表示されることとなる。販売手数料について,取扱高等に対する一定率の金額を収入するような場合は,売上高に準じて「補助活動収入」として表示することとなり,また,外部の業者に食堂等の経営を委託している場合には,家賃収入に準じて一定額を収入することとなるので,「(大科目)資産運用収入-(小科目)施設設備利用料収入」として表示するのが妥当である。
次いで,支出の側では,支出の内容に応じて,「人件費」,「教育研究経費」,「管理経費」それぞれの大科目のなかの該当小科目に含めて表示することとなる。なお,大科目の次にそれぞれの事業ごとに中科目を設け,当該中科目の小科目(内訳科目)として,たとえば,
管理経費支出(大科目)
売店事業支出(中科目)
補助活動仕入支出(小科目)×××
消耗品費支出 ×××
………… ×××
のように表示することもできる。
売店等の売上原価に属する科目のうち,仕入高については,「補助活動仕入支出」として表示するのが妥当である。消費収支計算書では,売上原価の内容が期首期末のたな卸高の差額に仕入高を加えて計算されることにかんがみ,売上原価は「補助活動収入原価」として表示することとなる。これらの科目については例示であるから必ずしもこれを使用しなければならないことを意味しないが,科目名を資金収支計算書と消費収支計算書とでは区別して使用することに留意する必要があろう。
(2)純額表示について
純額表示する場合の問題点の第1は収支相殺の範囲であり,第2は相殺結果の表示である。
収支相殺の範囲はどの範囲まで是認されるのであろうか。本報告は,収支相殺の範囲を消費収支計算書科目および資金収支計算書科目のうち,消費収支と同一内容に属する科目に限るものとしている。したがって,消費収支計算書においては,補助活動事業収支のすべてを相殺できるが,資金収支計算書においては,補助活動事業収支に属する貸借対照表に係る収入科目(借入金等収入,前受金収入,その他の収入)および支出科目(借入金等返済支出,施設関係支出,設備関係支出,資産運用支出,その他の支出)に限り,収支相殺できないものとしている。とはいえ,預り金に係る収支その他経過的な収支については,本来的に収支相殺することができることはいうまでもない。
収支相殺の結果,収入超過の場合は,「補助活動事業収入」(小科目)と表示し,支出超過の場合は,「補助活動事業支出」(小科日)として表示する。この「補助活動事業支出」については,消費収支計算書においては「補助活動事業経費」等の適宜な科目を使用することも考えられる。これら純額表示の例示について,いずれも「…事業…」という言句をそう入しているのは,純額表示の結果を示したものとして,総額表示の科目名と区別がつけられることを目的としたものである。また,収支相殺に当って,大科目ごとに収支相殺し,それぞれの大科目ごとに上記に準じて表示することもできる。たとえば,
教育研究経費支出(大科目)
補助活動事業支出(小科目)
管理経費支出(大科目)
補助活動事業支出(小科目)
のように表示することができる。
なお,収支相殺の結果,資金収支計算書と消費収支計算書とでは,
イ 在庫の問題があること
ロ 減価償却額等の消費収支計算に特有の支出があること
があるために,相殺後の金額は両計算上において,同一にならない場合が多いと思われるので留意する必要がある。
(3)貸借対照表科目について
前に触れたように,純額表示は貸借対照表には適用されないのであるから,補助事業会計を区分経理していると否とにかかわらず,当該事業に係る資産および負債は,すべてが計算書類に表示されなければならない。このことは,たとえば,寄宿舎会計における翌年度分の前受金を簿外預金等にし,貸借対照表の「現金預金」および「前受金」から除外したり,資金収支計算書「前受金収入」および「次年度繰越支払資金」から除外して表示することは妥当な処理と認め難いこととなる。
販売用のたな卸資産(商品,原材料等をいい,消耗品等の貯蔵品となるものを除く。)については,年度末において実地たな卸を行うものとし,その有高は貸借対照表の流動資産の部に「販売用品」として表示するものとした。ただし,その有高が少額の場合には「貯蔵品」に含めて表示することができることとした。
3.監査上の取扱い
純額表示による場合の収支相殺の範囲は,消費収支計算書科目に限られている。このことは相殺範囲の最大限を示したものといえる。したがって,その範囲内であれば適宜に選択した収入項目と支出項目によって相殺できるということになる。たとえば,支出の側では,
イ 売上原価,人件費,経費とする方法
口 売上原価,人件費とする方法
ハ 売上原価,経費とする方法
二 売上原価のみとする方法
がある。このいずれの方法によってもよいわけであるが,人件費および経費のみを収入と相殺する方法は認められないものとした。要するに,売上原価に属する科目については,その全部を必ず相殺しなければならないのであるが,これ以外の人件費および経費に属する科目については,これを相殺するかどうかを学校法人の自由裁量に任せることとしたのである。
収入の側について,本報告では特に触れていないが,つぎのいずれの相殺方法によってもよいことになる。
イ 売上高,受取利息,雑収入とする方法
ロ 売上高,受取利息とする方法
ハ 売上高,雑収入とする方法
二 売上高のみとする方法
(注,販売手数科および寄宿舎収入は売上高に準ずる)
なお,食堂等の委託経営により生ずる家賃収入は原則的には「資産運用収入」として相殺の範囲外とすべきであろうが,特別会計の中にある場合には上掲の収入に準じて相殺の範囲に含めることができる。
補助活動事業に関する会計処理および表示について,従来の方法を本取扱いによるために変更した場合は,正当な理由に基づく変更と認めることとした。このことは,本取扱いによる方法に変更した場合,従前の方法が仮に正しくなかったものでも,そのことを会計処理および表示上の除外事項としないでよいという意味ではないので注意せられたい。昭和47年度以降,『基準』が全面適用されたとはいえ,実務ではなお試行錯誤の段階にあるため継続性の変更がしばしば行われるものと思われるが,これをみだりな変更と判断するには及ばないと考えるべきであり,正当な理由に基づく変更と認めて差支えないのである。
(学校会計委員会副委員長 馬場潤一郎)