期中の帳簿は資金収支計算書のみ記帳している学校法人も、期末には決算書作成のため消費収支計算書の仕訳処理をしなければなりません。では、消費収支計算書作成のために必要な処理はどのようなものでしょうか?
消費収支計算書は、企業会計の損益計算にちかい概念で計算されます。このため資金・非資金すべての取引が対象となります。一方資金収支計算書の元帳は、文字通り資金の収入・支出の記録をおこないます。このため非資金的取引は消費収支計算書特有の処理となります。代表的な非資金的取引は次のものです。
1)現物寄付金
現物寄付金は、寄付された物品の評価額が貸借対照表に計上されます。資金は通らないため消費収支計算書特有の処理となります。
2)貯蔵品の棚卸
貯蔵品を計上している場合は、その棚卸は資金を通らず消費収支計算書の相手科目(例:印刷製本費など)に直接加減算されます。このため、貯蔵品の相手科目は資金収支計算書と消費収支計算書で差額がでます。
3)減価償却
減価償却費は非資金取引のため、消費収支計算書特有の科目となります。(資金収支計算書には出てきません)
4)引当金
退職給与引当金の繰入額などは、非資金取引のため消費収支計算書にのみ反映されます。資金収支計算書では、一般的に退職金支出として実際に支出した金額が計上されます。
消費収支計算書の作成上、以上を念頭にすれば資金収支計算書との経費・収入の相互チェックをおこなうことができます。