個人の所得税では、所得控除の対象となる寄付金があります。学校法人に対する寄付も、これにふくまれる場合がありますが若干注意が必要です。
まず学校法人が特定公益増進法人の指定を受けていることが必要です。したがって後援会・生徒会経由の寄付金などは任意団体に対する寄付となり、寄付金控除の対象から除かれます。
次に学校法人には、一定の規制があります。「学校の入学と相当の因果関係のある寄付金」は寄付金控除の対象とはなりません。具体的には入学願書受付の開始日から入学が予定される年の年末までの期間に納付した寄付金がこれに該当するものとみなされます。したがって小中高ですと1年生の2学期までに納付された寄付金は控除対象外になる学校が多いものとおもわれます。
ただしこれにも例外があり、「入学決定後(=入学手続終了後)に募集の開始(=募金活動の開始)があったもので、新入生以外の者と同一の条件で募集される部分」については寄付金控除の対象となります。具体的には「●●体育館建設募金」など、広く一般に募集するものが、これに該当すると思われます。
所得税法基本通達78-2(入学に関してする寄附金の範囲)
法第78条第2項本文かつこ内に規定する「学校の入学に関してするもの」とは、自己又は子女等の入学を希望する学校に対してする寄附金で、その納入がない限り入学を許されないこととされるものその他当該入学と相当の因果関係のあるものをいうものとする。この場合において、入学願書受付の開始日から入学が予定される年の年末までの期間内に納入したもの(入学決定後に募集の開始があつたもので、新入生以外の者と同一の条件で募集される部分を除く。)は、原則として、「入学と相当の因果関係のあるもの」に該当するものとする。